つづれ織り

@tuzureorii

#ナミヤ雑貨店の奇蹟 を観ました。

2017年9月23日は山田涼介くんの主演映画、ナミヤ雑貨店の奇蹟の公開初日でした。山田くんが東野圭吾作品に主演すると情報解禁されてから、あっという間だったような気がします。決まった時は居ても立っても居られなくて、すぐに原作の小説を買いに行って読んだし、2016年の年末の東京ドーム公演のグッズ列(※4.5時間並んだ)では寒空の下のお供にしていました。3回読了しました。寒かった!!

 

映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』公式サイト

 

ネタバレになってしまうようなことも多々あるかと思うので、まだこれから先に観に行かれる予定の方はストップしてくださいね。あと、原作未読の方で映画観賞前にパンフレット購入予定の方はパンフレットは映画の後に読んだ方がいいです!! すごく丁寧なネタバレしかない!

ナミヤ雑貨店の奇蹟、とにかく気持ちが温かくなる映画でした。20代の後半になると涙脆くなるし、西田敏行さんが自分の祖父にも父にも重なるし、グリーンリバーさんのところは原作でもウルウルきてたんですけど、やっぱりそこで涙腺が決壊したりしていました。私の中の知っていた西田敏行さんて、釣りバカ日誌か八重の桜くらいでしか馴染みが無かったのですが、病に倒れてからの表情に涙を誘われました。この歳になって、やっと西田敏行さんの良さが沁みる………。

 

山田くんが演じる敦也。山田くんは雑誌のインタビューでこと俳優や役者としての立ち位置の話題になると いつも謙虚に控えて、「俳優」と名乗ることから一歩後ろに下がってしまってしまう印象があって。そんな人が「俳優としてのスタートラインに立てた」と思えた作品で、山田くんの解釈した敦也はどういう人物なんだろうなあと楽しみにしていました。原作にはなかったシーンや、補足で新たに、言葉遣いはぶっきらぼうだけれど自分の育った場所への人情に篤い、世話焼きな青年なんだなぁとか、境遇に恵まれないながらも賢く聡明に育ったんだなぁとか、原作を読んできた勢にも新たな発見を与えてもらえて楽しかったです。

 

 

確かに、知識としてバブル景気のことを知ってはいても過去の人間に経営で成功させるレベルでアドバイスするには一定の教養がないと教えてもあげられないし。原作では、白紙の便箋を放り込むのは割と序盤だったので、映画ではなかなかそのシーンにならないから、もしやない…?と心配になりましたが、杞憂に終わって良かったです。白紙に対する浪矢さんの回答が好きで、そこで原作は終わりだったのが、それに対する敦也の返信が聞けて、こういう補足もいいなって。

 

 

 

ナミヤ雑貨店の奇蹟の中で、悩んでいた人達はみんな共通して その人の中に幸せにしてあげたい誰かがいて、その誰かのことを思い浮かべながら相談の手紙を書いていて、人の繋がりってこんなに温かいんだなぁと改めて教えてもらえた作品でした。

 

それから、山田くんと西田さん!

WSの取材で 山田くんと西田さんのやり取りが本当に 温かくて、芸歴50年のベテラン俳優からたくさんの心遣いを頂けたのかなぁとファン心ながら非常に嬉しくなって観ていました。舞台挨拶は中継組だったので、西田さんからのお手紙は生で聞けなかったものの、ニュース記事で全文が読めたので 本当に西田さんと共演する縁があって、山田くんは幸せ者ですね…!

 

前略 山田涼介様。
まずはこうして一緒に『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の公開初日を迎えることができて、心から嬉しく思います。今回、浪矢のおじさんのように今の気持ちを手紙に書かせていただきました。
私が初めて山田くんを知ったのはテレビのバラエティ番組。とてもキラキラした青年だなと強く印象に残ったことを記憶しています。そのあとグループ活動が多くなるのと比例するように映画やドラマなど、お芝居のお仕事で活躍する姿を拝見していました。
アイドルとして、歌や踊りをたくさんのファンの方に届ける自分、俳優として役を演じる自分。私はこれまで山田くんはアイドルである自分と、俳優である自分のバランスに悩んだことがあるのではないかと思っていました。まわりから色眼鏡で見られることもあっただろうし、決して弱みを他人に見せない人柄の山田くんは、それを自分の中だけで消化することもあっただろうと想像します。
でもこの作品を通して、現場での佇まい、そして完成作を見て、それは杞憂に終わりました。
ちゃんと役に入り込んでいるし、仮にセリフがなくても表情でしっかりと語ってる。山田くん、あなたは俳優として堂々とスクリーンに存在しています。

 

私は1967年にデビューし、今年で50年を迎えました。この映画と同じように昭和の中頃から今日まで長い時を経て、今ここに立っています。ですが年齢や芸歴など関係なく、私とあなたは同じ俳優として同じ土俵に立っていると思っています。今後、あなたがもっともっと俳優として大きくなることを心から願っています。私も負けないように頑張らないといけません。
この先壁や障害にぶつかったり、葛藤があったり、人からいろんなことを言われることはあると思います。でもこれまでと同じように、決して心折れることなく、どうか前を向いていってください。


大丈夫、あなたの未来は明るい。そう、私は確信しています。
また共演できる日が来ることを心から願っています。
ありがとう。西田敏行

 

出典:【手紙全文】山田涼介、西田敏行からの手紙に涙…「心の中を読まれた」 | マイナビニュース

 

俳優一本でやってきた方と歩んできた道行きは違えど、こうして長く経験を積んできた方に曇りのない肯定をいただけて、とっても嬉しかっただろうなあと思うんです。デビューして10年のアイドルと言葉にしたら、もう中堅みたいなカテゴリに入りそうな響きがありますが、そうはいっても10年のうち、6年間は10代で、子どもで、とてもひとりでは抱えきれない悩みや葛藤がきっとあったと思うんですけど、たった一人でもこうして肯定の思いを向けてくれるだけで その10年分の悩みや葛藤が報われたりするのかなぁと考えてしまいました。

 

この映画で結ばれたこの縁が、またどこかで繋がることがあるように祈っています。

 

 

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)